番外篇★東京① Nさん宅にておもてなしの理想を見る。
ご無沙汰です。
所用にて、東京にいました。
スケジュールを立てられる状態ではなかったので、人と会うことはほぼあきらめていました。
でも無礼御免赦の直前アポにも関わらず、東京でお世話になっていたNさんから、とても素敵なおもてなしをいただいてしまいました。
世界各国を旅し、日本人を越えたのびやかなテイストで、エキゾチックで大胆なデザインをなさるファッションデザイナーさんだけに、お宅がとても素敵。
靴を脱いですぐの階段を上がると、2階が寛ぎの空間です。中国のアンティークな簞笥や、アフリカやアジアなど世界の民族の工芸品やテキスタイルが、広々としたモダンな空間にしっくり馴染んでいます。
そして相変わらずとても手際がよい。書のお稽古から戻られたばかりなのに、あっという間にいろいろとお料理をご用意してくださいました。
主役は無水で調理したお鍋。
どっしりと重たいお鍋と高さのある重たい蓋。タジンです。
なんと、このお鍋自体が、Nさんの自作でした。
一切水を加えずに加熱したレンコン、カボチャ、しめじ、しいたけ、舞茸、エリンギ、えのき、白菜、鶏肉のぶつ切り、豚肉などなどたくさんの素材はほくほく&しっとり、旨味や甘みがものすごく濃い。
少しの柚胡椒とゆずポン酢でいただきましたが、お箸が止まりませんでした。
揚げ鯖の南蛮漬け(器もNさん作)
これもびっくりするくらい、美味しかった。
ふっくら、パリっと揚がった鯖が、絶妙な味わいの合わせ酢をたっぷり吸っています。
この合わせ酢、にんじん、玉ねぎ、パプリカ、ピーマン、ネギ、唐辛子、そしてすりおろし生姜がたっぷり入っているそう。野菜の甘さと歯ごたえが引き立って、そのままスプーンですくって飲みたいくらいくらいでした。
食べかけでごめんなさい。お取り皿や小鉢もNさん自作。
最初は写真撮るのが気が引けたのだけど、やっぱり思い出として書き留めたくなった。こんなことなら最初にきちんと撮れば良かったです。
他にもいろんなお野菜の炊き合わせや、磯の香りと塩気の美味しい小さなおにぎり、アボカド&マグロには山葵醤油にちょっとごま油を効かせてあったり、自家製の床漬けのぬかの香りが良かったり、とにかくNさんのお料理は、柔らかなハーモニーの中に、何かがひそんでいる。
それにしても、自作鍋で作った料理を、自作の器で振る舞う。
この発想はありませんでした。
ここは東京の真ん中ですが、もしNさんが畑のある田舎住まいなら、きっと野菜も育てているに違いありません。
理想の手作りディナーでした。
その後は写真家のだんなさんに作品を見せていただき、ひとしきり写真の話を。
お二人共、とにかくあたたかいお人柄で、チャーミングで、一緒にいると心からほっとします。
東京滞在の最高の思い出となりました。
いつもお二人にはお世話になりっぱなしです。
私も、いつか手作りのお料理でおもてなしをさせていただきたい。
どこで料理するのか?? ・・・は考えるとして、まずは腕を磨かなくてはなりません。